
好調のレーシック
しかもドイツの流通システムは完全なメーカー直取引だ。
にもかかわらず、W社は直取引できなかった。
ドイツの場合、家電にしろ冷凍食品にせよ各メーカーは自前の流通網を作り上げている。
そこでメーカーから小売りに直送してしまう。
これが、自社物流のSCMによる徹底した効率を得意とするW社には馴染なかった。
アメリカ流のSCMをそのまま持ち込み、かえって欠品が出て消費者の信頼を損ねた。
これに加え、ヴェルトカウフにしてもインタースーパーもともに赤字であり、消費者の信頼はジリ貧だったことも禍した。
もっと痛手だったのは、得意芸であるディスカウント販売がドイツ当局からにらまれ、是正勧告が出たことも足を引っ張った。
W社はSCM(サプライーチェーンーマネジメント)に秀でている。
情報ネットワークをインフラにして、サプライヤーをフルパートナーにし、トータルでのコスト効率を追求していく。
そのためには、サプライヤーが、自社物流にうまく協力してくれることが必要だ。
英国のアズダではこれがうまくいき、ドイツのヴェルトやインターでは、アズダのようにはいかなかった。
W社の得意芸であるEDLPを実現するためには、納入面での規模の経済性が得られないと厳しくなる。
日本におけるガルワールのように単独出店で1店、1店作っていくと、遠距離に点在する点にしかすぎない各店舗は孤立しているために納入ロットがまとまらず、ローコストでの納入ができない分、低価格販売ができない。
単独出店した中国やアルゼンチン、わずか9店舗しか運営していない韓国で低空飛行が続いているのはこのためだ。
《中国》。
中国に進出したのは96年のこと。
進出したのは工業化の著しい近代都市・深せんなどの地方中核都市で、ここにスーパーセンターとサムズークラブを合計16店舗展開した。
中国ではすでに上海を中心に30店舗を展開し先んじていたのはガルワールだ。
W社にしてもガルワールにしても中国でさし当たって問題になるのは、買収しようにも大手小売業らしきものがないことだ。
買収先がなければ、ガルワールの日本進出のように1店舗ずつ作り上げていかなければならない。
これはW社にとってもっとも苦手な展開だ。
ガルワールは日本では芳しい業績とはいえないが、中国では、現地のニーズに合わせて商品を目まぐるしく替え”中国のスーパーマーケット”を売り物にした。
この成功で、日本も中国と同じと考えたのだろうか、日本の商品ばかりを扱い、フランス的な店を期待した日本の消費者をすっかり切ってしまった。
当然、国によってそれぞれ市場も違えば、消費者ニーズも異なる。
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